その①事件発生
2月7日のこと。お陰様でそれはそれは大賑わいの当店でございました。
珍しく電話やメールの着信音が鳴り止まず、お断りしたお客様のほうが多いくらい。
兎に角、何やらエネルギーがダダ漏れておりました。
そしたら、な〜んとトイレもダダモ〜レ!
女性のお客様が「詰まっているようなの」と困り顔でワタシに。
(ご使用前でいがった)
さぁて、困った困ったこまどり姉妹。その時点でまだ満席の当店。「こーゆー時は先ず何をしなければならないのか」と頭を巡らせ、お向かいのお店へGO!
「トイレが詰まりました!困っているお客様がいらっしゃるのでお貸しください」
実は店をやること30年。トイレが詰まったことなど一度もなく、ラバーカップ(俗にスッポンと呼ばれているやつ)も常備していない。
そしたら、お客様が「主人が車で迎えにくるから、持って来るよう頼むわ」と。ありがたや、ありがたや。
ほどなくしてご到着。
さて、スッポンスタート!しかも、お客様が作業してくれたのです。
( 詰まりが発覚した直前、その方のお連れ様が具合が悪かったのか、おトイレが長かったのよね。ひょっとすると嘔吐して、それを掃除した時に大量のトイレットペーパーを流したのかも?ならば、連れてきた自分が…てなワケなのです )
しかしながら、全く改善の気配なし。
時計の針は23時を回っている。お向かいさんにいつまでも頼るワケにもいかず、閉店することにしたのです(泣)。
閉店後、酔っ払い独りでズッコン×2するも、ゴボッと一度音がしたきり解消されず。
「ダメだこりゃ〜」と、一旦諦めて帰宅。
その② 格闘
一夜明け、寝る前に作成した買い物リストをチェック!
スッポン、ワイヤーブラシ、重曹、クエン酸…。何かと便利なこの御時世。ちょいとネットで調べれば出てくる出てくる、その解決策が!そして、それに必要なモノの殆どが百均で揃うだなんて。時代も変わったものですわねぇ、奥様。(倒置法多用)
さ、百均からの戦場(店)へGO!

水位は下がっていた。
さて、望みは薄いものの先ずは水量「小」にて流してみる。(←ここかなり重要!溢れたら大変)
「トイレの神様ぁ、お願い」
だがしかし…
願いも虚しく、便器にすりきり一杯の水。
(汚物の逆流は見られず)
さぁ〜て、どうするべ…
このままスッポンしたら水浸し。ゴミ袋の閉じているほうの中央に穴を開け、そこにスッポンの柄をとおしてから、便器を覆うように被せると、水浸しにならずにすむ…という策もYouTubeで知ったが、やはり穴を目視…いや凝視したい。
アレコレ考えながら、マツキヨで買ったヘアカラー剤に付いていたゴム手袋を装着。

これがまた優れモノ。密着するので、異物を感知し易く、また指側への浸水がない。
気分は片平なぎさ…否、スケキヨ!(わからない子はお母様におききなさい)
でも、水位が下がるまで待てと言うのかい?
そ・こ・で、こんなところで活躍。北国では一家に一本は必ずあるアレ!そう、灯油ポンプでございます。汚物が混入していないことも幸いし、ここはスムーズにすすむ君。

(受けの容器がワインクーラーだってことは秘密・笑)
さて、水位を下げたところで、スッポン作業開始!
ズッコン、ズッコン…
ではダメなのですよ、奥様。
ズッ・・・コン!
いや、音楽家としては
ズッ・・・クォン
と表したい(笑)。
空気が漏れぬやう便器肌に密着させて「ズッ」と一気に!そして、「・・・」少し“タメる”(約2秒)。
そして「コン」と素早くではなく、「クォン」と「ズッ」よりほんの少し時間をかけて引く。
詰まりの原因となっている異物に直接働きかけるというより、引く時に内部の水を「動かす」ことが肝要なのだそう。
トイレの神様に再び願いつつ
ズッ・・・クォン
ズッ・・・クォン
その③ 化学攻撃
トイレの神様へのお願いも虚しく、スッポン攻撃で改善せぬまま時は過ぎてゆきました。
次なる策は重曹+クエン酸によります「化学攻撃」でございます!
長くなるので配合の分量等は割愛しますが、強力な発泡により汚れを分解するらしく、かなり効果があるそうなの。
ところで、そもそも詰まりの原因がわからぬまま作業をしているワケで…大量の紙や排泄物なのであれば、その化学攻撃も奏功するだろうが、財布や携帯などの異物であれば溶けないどころか、ますます奥へ押し込むことになるやも知れぬ。
ひょっとしたら時節柄使い捨てカイロかも?落としたヤツは誰?と、脳内で犯人探しが始まる。一方で、気が付かなかったのかも?ワタシだって落とすこともあるかも?と自分の過失として考えてみたり、経年若しくは、極寒期特有の何らかの原因が…とかなんとかアレコレ考えた。
ま、奥へ押し込んじまったのなら、そんときゃそん時よ。業者さんを呼びませう…と、気持ちを入替え、いざ、化学攻撃!
シュワシュワシュワ…と勢いよく発泡。そして風呂より少し熱いくらいの湯を少しずつ注入で、小一時間放置プレイ。
YouTubeを見たり、ほかの場所の掃除をしたりと時間を潰すこと1時間。
さてと、流してみませう(勿論「小」にて)
す・る・と…
チーーーーン
みるみる水位は上昇し、再びたっぷん✕2。
風呂の中で放屁した時のように、ゴボッという音と共に大きな泡ひとつ。
(経験がないとは言わせない・笑)
てなワケで、化学攻撃も敢え無く失敗。
その後、ワイヤーブラシを試すも、内視鏡のようなフレキシブルで長いものでないとダメみたい。ワタシが買ったのは細長いタワシ。全然入っていかない。
「よし、こうなりゃ…エイッ!」とスケキヨ手袋を装着した手をつっこんで、異物に触れぬかまさぐれど、お穴から直ぐに急カーブとなっており確認出来ず。
その時、腰に違和感がっ!
そうよ、ワタシはギックラー。この中腰ってのが一番よろしくないんだった。
トイレの神様はワタシを見放したのでございましょうか…。
盛岡駅前の治療院を予約し、帰宅することに。
その④ 救いの神降臨
未解決のまま帰宅したのだが、頼みの綱がもうひとつ残っておりました。
その名も「とおる君」

(↑復旧した翌日に届いた未使用のとおる君)
シリンダー式のスッポンなのです。実は、お付き合いのある御近所のお店のお手洗いが詰まったことを思い出し、どこの業者に頼んだか尋ねると、業者を呼ぶ前にコレを試せと。化学攻撃をして一旦放置している間に、ネットで注文。翌日届くとのこと。それを試してみてダメなら業者に頼むことにした。
異物による詰まりと判断された場合、便器を外す作業となり、費用は3万〜とある。グスン、3rdアルバム「途」の経費を全て払い終えたばかりだってのにぃ…厄払いってやつ?
(事実“後厄”だったりする)
さて、帰宅したのは17時。治療院の予約は18時半。ちょいと横になりましょうかねぇ…。
その時ふと先輩ミュージシャンのK氏が、水回りに明るいこと思い出し連絡してみる。そしたら、日曜にもかかわらず今から応急処置をしてみませう!と駆けつけてくださったのです。
てなワケで、治療院を一旦キャンセルし、再び店へGO!
「先ずはコレを試してみて、ダメなら専門業者を派遣しませう」なんと、手にしていたのはまさに「とおる君」(商品名は違うかも)
流してみて溜まっていく様子を伺い「う〜ん40分くらいかかるかな?」とK氏。(40分と言うあたりがプロっぽい)
40分伝票整理などして、お茶でも淹れる支度をして待とうとカウンターの中に入った時「あ、イッたかな?」の声。
ゴボッ!ゴボゴボゴボ…
スーーーーーーーーッ
久々に見る美しきトルネード!作業開始からたったの3分。
嗚呼…
神様、仏様、K様!
かくして、すったもんだのトイレ詰まり事件はK氏&とおる君のお陰で一件落着。
時計の針は18:15 治療院も間に合うじゃないの…てなワケで、ちゃっかり治療院まで運んでいただいたのです。
このたった一夜と半日の事件にも、学びがあったな。
スッポンをわざわざ届けてくださったお客様、トイレを貸してくださったお向かいさん、とおる君を教えてくれたカレー屋さん、そしてK氏。
東京でも大阪でも御近所さんに助けられてたなぁ。
ホント、一人じゃ何もできません。
地元でせっせと辻立ちして当選した候補者もいたように、日頃のお付き合いが大切よね。困った時だけ助けてじゃあきまへん!
有事への備え(便所詰まりを有事と呼ぶのは大袈裟かもしれないが、震災やコロナはまさにソレだったし)、何日か休んでも支障のない資金の確保、事前に対策を講じておくこと等々、小さな商売をしている小さなワタクシだが、結局社会の縮図なのだな…なんて思ったり。
兎に角、奥様。とおる君は一家に一本ですわよっ!
おわり

