日の目を見たレコード

今も尚、シャンソン歌手を名乗るには専門性に乏しいワタシではございますが、ジルベール・ベコーは以前からよく聴いておりました。
その陽気な人柄と声!気分が高揚するのですよ。

10年ほど前に「Je partirai」(出発)という曲が入っているアルバムをネット探して購入。
ところが、CDを買ったつもりが届いたのはLP。
いずれレコードプレーヤーを購入しようと思いつつ、月日は流れたのでございます。



さて、当店近くに「モンタン」という、スープスパゲッティで有名な老舗喫茶があるのですが、ちょいと前にお茶しに行ったら、先代マスターが集めたレコード(LP)が何枚か壁に飾られていたのです。勿論、イブ・モンタンも!

なんでもバー営業を始めたらしく、夜はレコードプレーヤーでそれをかけているのだそう。
ワタシに聴いてほしいと、エディット・ピアフのカーネギーホールでのライブアルバムをかけてくれたのです。
そこで「ここにベコーのレコードを持ってこよう!」と思い出したのでございます。

そして昨日「モンタン」へ。
持って行く前に開封したら、おやまぁ、サインが封入されているではあ〜りませんか!
色紙に東芝EMIのロゴが入っているから、サイン付きのアルバムだったのね。
それにしても「Tomodachi 」「ベコー」だなんて、お人柄が表れているわ〜。



針を落とすと、“プチプチ…”とレコードらしいノイズが…

そうだ!大阪の、その名も「ジルベール・ベコー」という老舗シャンソニエ (シャンソン専門のライブハウス) の創業者の出口美保さんが今春亡くなられ、つい先日偲ぶ会が開かれたようだし、東芝EMIはワタシの2ndアルバム「FURUSATO」のジャケットデザインを担当した大親友の大戸千尋さんが勤務していた会社。彼女もそろそろ一周忌…。

ささやかな繋がりだけれど、こういうのも人生の不思議、そして、楽しみのひとつなんだな…と、しみじみ思いつつ、お珈琲をすすった夏の日の昼下がりでございました。

もうちょいジジイになったら、昼営業に切り替えて、シャンソン喫茶でもやろうかなぁ…。